連日の台風、曇り空の連日に嫌気が差しています。
差すのは日差しにして欲しい所!
珍しく仕事で忙しかった先週。久方ぶりに休日出勤をしました。
なので金曜日は振休してキャンプでも行くべ。
では先日の南アルプス縦走の続き、書いてまいります。
沼口
○8月5日(金)
ルート:自宅→畑薙ダム
仕事終わって帰宅。
飯食って風呂入って軽く支度。パッキング等はすでに準備万端だった。あとは静岡まで長い道のりを進むだけだ。
風呂に浸かっていたら、このまま布団で寝たいという誘惑にかられる・・・なんていうか旅行の前の憂鬱というか・・・
えええい、何をマゴマゴしとるか!何日もかけて計画したのが無駄になるぞ!と風呂を出る。
圏央道の素晴らしさをかみしめ、東名高速へ。スンゴイ車多くて驚いた。なんだこれ。
そして23時、新静岡インターにて下りる。あとは下道だ。
ん、下道60キロか。結構あるなあ、と思いつつ進むとすぐに峠道だ。
もしかして峠道を延々60キロですかあああああ????目的地の畑薙ダムは遠いと知ってはいたが、これほどとは・・・
道はところどころ細いし、車は走ってないし、ものすごく遠く感じました。
2時間もかかって、ようやくダムに到着。最終ゲート手前、沼平の駐車場に停めることができた。
約5時間半のドライブ、疲れたぜ。特に後半戦・・・帰りも考えると憂鬱!
すぐさま仮眠。も、寝てんだか起きてんだかわからない状態で時は進む。熟睡はできなかった。
○8月6日(土) 1日目 晴れ
ルート:畑薙ダム→横窪沢小屋→茶臼小屋
朝は4時半起き。5時発。さあ、縦走の始まりだ。天気も申し分ない。
ザックを背負うも、やはり重い・・・初日は標高で約1500m上げなくてはいけない。なかなかハードだ。
山には朝靄がかかり、薄いグリーンのダムを左手に見ながら東俣林道を進む。
やがてダムを渡る橋が見えてくる。
畑薙大吊橋。ダムを吊橋で渡る、貴重な経験をした。
これは渡った位置から振り返り撮影した物。渡っている最中は、怖くてカメラ構えられない。
しっかり作られていて、壊れはしないだろうけど、なかなかスリリング。
吊橋渡ると尾根にとりつきヤレヤレ峠。これは下りの人に対してのネーミングのようです。まあ1500m下りってのは・・・ヤレヤレだもんな。
そして沢に下りて進む。
吊橋がいくつかある。
ウソッコ沢小屋に到着。ザックを下して追加の朝飯。奥地まで来たが、腹はいつもの調子だ。
体の調子もいつも通りいい。
焼き網が並んでいた。
ははーん、ここでたき火するのか。なんかいいな。
ゴミが結構落ちていたけど・・・
ここから先はいよいよ本格的な登り。ザックの重さが恨めしい。
気温も少しあり、湿度も高い。樹林帯で汗が吹き出しまくりだった。
横窪峠、ここに来ると・・・
横窪沢小屋が見えてくる。ここでテン泊もいつかしてみたいな。
というか初日はここで泊まってもいいんじゃないかと、悪魔のささやきが・・・
横窪沢小屋に着くころには、再び空腹なのと疲れもあってザックを下す。
小屋番のおじさんに麦茶をもらった。冷え冷えでうまかった。
「兄さん、ザック大きいね。どこまで行くの?」
荒川まで、というと遠いけど頑張って!と激励。山行中、小屋番や登山者と、こんな一言二言があればいい。
べちゃくちゃ喋るのは好きでない。
さあ、また暑い中の登りだ。標高は残り800mほど。先は長い・・・
少し進むと見晴らしベンチがある。なんでも南にある大無間山が見えるとか。
といっても、初日はどれがどれやら。後に光岳の小屋番ばあちゃんに教えてもらったんだけど。
正面奥の双耳峰が小無間山。その右にあるのが大無間山だそうだ。大無間・・・うん、名前がいい。
標高2200m、樺段だ。
少し開けたところを、○○段と言うみたいで、ここは樺段なのだそうだ。
ちょっと手書きのメッセージは、心がモッコホッコリする。
お、建物が見えてきた。茶臼小屋だ!!しかし、ここからが地味に遠い。
まだかなまだかなまだかなまだかなまだかなまだかなまなかな。途中マナカナが出てきたあたりで
やっと到着。いや、長かった。
11時半に到着。少し早いが本日の行動終わり!
テントは連泊しているのが数張り。場所は沢山ある、本日の適地を探す。
なるべくギリギリ、テント一張りできるスペースが大好きだ。大きいスペースに張ると、遅く来たやつに「少しよけてくれませんか攻撃」「あれー、張るとこないなあ!(お前がズレれば張れる)攻撃」をされるからだ。
寝床が完成した後のテント移動程、無駄でアホな時間は無い。でも計画の段階で17時着とか考えるマンもいるからどうしようもない。
ハイマツ帯でビバークでもかましてろ。
夕方になり、やがて予想通りテント張る場所に困るマンが出てくる。ある人は斜め斜面に、ある人は狭い通路に。
日暮前、午後くらいから出始めた雲を、ずーっと見ていた。雲の流れはやや早く、次々と形を変える。見ていて飽きなかった。
茶臼小屋からの開けた景色は、かなり気に入ってしまうのだった。
○8月7日(日) 2日目 晴れ
ルート:茶臼小屋→茶臼岳→易老岳(イロウダケ)→イザルヶ岳→光岳小屋→光岳(テカリダケ)→光岳小屋
初日夜中、トイレに行って空を見ると、降ってきそうな星空が広がっていた。
予報通り、明日の天気もよさそうだといい気分。天の川も見えたし、あまりにも奇麗な星空に圧倒され、しばらく眺めていた。
2日目の朝、素晴らしい日の出を見た。富士山もクッキリ見えている。
今日の山行を祝福するかのような光景だった。
もう少しゆっくりしていたかったが、光小屋のテン場は張れる数がメチャクチャ少ない。
ということで5時に出発する。
少し登ったところから茶臼小屋を振り返る。
まだテントは沢山。いやーしかし、良いテン場だった。
準備運動としてはイイ感じのちょっとした登りを終えて、茶臼岳。
早朝の景色は、澄んだ空気も相まって気持ちよくさせてくれる。
おお、明日以降に訪れる山々がドンと。
右にあるのが上河内岳、真ん中にあり山頂が横にノビーとしているのが聖岳。その左は兎岳。
さて、今日行く山は?
おお、あるある。
真ん中少し左、右に伸びる大きな尾根を持つ イザルヶ岳。その右奥にある一番高い山が光岳。
あそこまで行くのか、下調べ通りアップダウンがきつそうだなあと思うも、天気のよさと憧れの光岳に行けることから足取りは少し軽い。
茶臼岳からは一旦下り、仁田池へ。
特に奇麗でもない池。見事に茶色・・・
そしてお次はピークとコルを経由して希望峰。
ここから仁田岳に行けるが、光岳小屋のテン場が埋まることを恐れて行かず。
3日目に行くこととした。
希望峰から易老岳へは細かいアップダウンが続く。
足への疲れが少しづつたまっていくような、モヤモヤな気分。
展望の無い易老岳。
しかし木陰が涼しくて心地いい。アブや小虫がウルサかったが少し休憩。この先はアップダウンをして三吉平へと進む。
栄養補給をせねばイカン。食べてから2時間もすると、腹はいつも飯をよこせと鳴るのだ。
腹が鳴ったら我慢せず飯を食う。
三吉平からは谷筋を標高300mほどの登り。これを越えれば
静高平へとたどり着く。
ゴーロの谷筋は少し歩き辛いが、ここに来ると疲れも飛ぶ。何しろ冷たーい沢水が豊富に出ていたのだ。
ここは枯れることがあるらしいけど、この日は大量放水中。
さあ、ここからはご褒美の良い景色が広がりますぞ。
先に進めば光岳(周りより高い所)と、本日のテン場だ光小屋。
分岐があり、イザルヶ岳への登山道も伸びる。
なだらかーな登りなのでザックをデポせず登りに行く。
ザレた山頂、イザルヶ岳に到着。少し雲はあるものの、富士山も見える。
日差しが少し暑いが、涼しげな風が気持ちいい。
そして何より、名前がカッチョいいよ イザルヶ岳。
ああ、本当に憧れの光岳エリアに来てしまった。
南アルプスの奥地、山奥に来たのだと改めてうれしくなった。
この時点で9時。まだまだ時間には余裕がありまくる。しかし腹は減りまくるので、行動食を胃に与える。
どうだ、満足したかっ!腹は鳴らなくなった、満足したようだ。
山頂の石は細く、少し尖っていて面白い。
なんでこうなったのか考えたけど、良い景色と心地いい疲労、ワクワクした気持ちが石なんかどうでもよくさせた。
さあ、光小屋にサッサと行こう。
まるで光小屋の庭のように広がるセンジヶ原。
ここには亀甲状土が広がる。
このモコモコしたふくらみが亀甲状土のようだ。
光小屋のテン場。狭いので端から詰めるようにしてください、とお願いされる。連泊中だという、お母さんの隣に張った。
夜ごはんに、ジュウううと卵を焼く音を響き渡らせていた。くっそう、俺も卵を食べたいと思った。
テン場が埋まることを心配したが、結局この日は他に独り言が やたらとうるさいオッサン1名しか来なかった。
独り言がうるさすぎてかなりストレスだった。耳栓や音楽聞いて我慢する。
俺はお盆休みだったけど、世間は次週からだもんね。おまけに日曜日、そりゃテン泊する人は少ないはずだ。
光岳に来る人は多かったが、ほとんどがピストンで茶臼小屋に戻るみたいだった。
日数削減の為に、1日で茶臼と光岳ピストンの工程を考えたが、せっかく来た光岳を足早に帰るなんてもったいない。今日は光岳とイザルヶ岳に抱かれて眠るのだ、なんと贅沢なことか。
テント設営して、少し休憩。そして、光岳に向かう。
展望はよくないが、憧れの光岳に到着。ついに来たぞ・・・・と思わず立ち止まってしまった。
光岳、地味な山頂に堂々と立つ標は、いぶし銀。トップ画像も真似て いぶし銀をイメージしているけど、うまくいかなかった・・・
ハイマツ群生の日本最南端、南アルプス主脈の最南端に立った、この時の感動は伝えがたい。
山頂より西、展望台があるので行ってみた。光岳の名前の由来と言われる、光石が見られるからだ。
手前の尾根に白い岩。なるほどあれが光石。
写真、真ん中にザレたイザルヶ岳が見える。あそこは気持ちがよかったな。
展望台より先にいき、光石を間近で見ることに。
光石の上に乗り、涼しい風にあたる。少し雲が出てきたが、晴れていて気持ちがいい。
ボーっと遠くの山を眺め、時間を過ごす。
さてさて、お家に帰りますかな。
テン場に再び着いてからは、急斜面の水場へ。翌日分も確保して、テントでゴロゴロ。
昼寝と小説、飯を食い、景色をゆっくり楽しむ。
ありゃ、こりゃ雷来るかな?と思うモクモク雲。幸い、雨すら降らなかった。
右にあるのは上河内岳、真ん中は聖岳。ずっしり鎮座する山は登り応えがありそうだ。
あの山々に行き、さらにその奥にある赤石岳、荒川岳に行くのだ。ワクワクが止まらなかった。
そして夕暮れ、何やら小屋泊の人たちがザワついている。なんだなんだ、奇麗な夕暮れですかな?とノソノソとテントから這い出ると・・・
なんともまあ、不思議な景色。
思わず見た瞬間、「うわあ」と声が出た。小屋番のお母さんは、「珍しい景色。今日登ってきてよかったね。」と言っていた。
この景色は、光小屋に泊まったおかげで見ることができたわけだ。急いで茶臼小屋に帰る予定にしなくてよかった!
大満足の2日目を終えて3日目へ・・・
○8月8日(月) 3日目 晴れ
ルート:光小屋→希望峰→仁田岳→希望峰→上河内岳→聖平小屋
3時過ぎに起床。どれどれ、外は?とテントから顔を出す。星空が見える、予報通り今日もいい天気だ。
ちょっとゆっくり準備して、5時前に出発。
まずは三吉平へ下る。そこから小ピークを経由して易老岳への登り。朝からちょっと疲れちまったっス。
荷物はたいして減らないし・・・飯食ってるんだけどな・・・
易老岳で飯休憩。パンをかじる。少しすると団体の定年組が。
俺のデカザックを見て、話のきっかけとなった。
なんでも、あちらさんは前々日に日光の男体山を登ってきたというのだ。
男体山→徹夜で畑薙ダムに向かい、茶臼小屋→光岳に行く途中で俺と合流。というハードスケジュールだ。
聞いているだけで疲れそうな強行スケジュールだ。リーダー格の人はキスリング時代からの登山愛好者。
凄いなあ、登山歴半世紀近くか。そしてとてもエネルギッシュなんだよ皆。
俺もこんなカッコいい年の取り方をしたいもんだ。
希望峰に再び到着。
さあ、今日は残していた仁田岳に行くぞ。
おお、あれか。なんか思ったより近いな。
と思ったら仁田岳手前のピークなんだこれ。登り切ったと思ったら、もうちょっと先だった。
今度こそ仁田岳。この、里山っぽい簡素な看板も、なんか味がある。
なにより、仁田岳からの眺めは素晴らしかった。天気が良かったら寄ることをお勧めしたいポイント。
仁田岳より希望峰に戻り、茶臼岳へ。
今日はあと、上河内岳に登れば下って終わりだ。
上河内岳に近づくにつれ、良い景色が。
なんだか日本じゃないみたいだった。
森林限界になったので、日差しが容赦なく攻撃してくる。暑くて残りの水を思わず心配してしまった。
天気がいいのは嬉しいが、雲はあってもよかったなあ・・・
左側にある岩は奇岩竹内門。
奇岩の岩陰で、日よけ休憩。
暑いんじゃボケエと思いつつ、行動食を食べる。
上河内岳の肩に着く。すぐそこに上河内の山頂。荷物デポしていってくる。
上河内岳に到着。
山頂からは懐かしのスタート地点、畑薙ダムが見える。
聖岳、赤石岳、悪沢岳。ああ、近づいてきたなあ!!!気分は盛り上がる。
光岳達も見える。
再び肩に戻る。あとは南岳に登り、ずーっと下ってゴールの聖平小屋だ。今日も予定より早く着きそうだ。
赤い石、青い石、白い石。カラフルロードだった。
雲にかかっているのが南岳。
あれしきの登り、これで終わりと思えば楽なもんよ。
スパッと切れたような岩を発見。
南岳への道には、沢山の花が咲いていて、大して花好きでないのにテンション上がった。
ちょっといい匂いもしたし。
きっとこの時は、花に囲まれた少女のような顔をしていたと思う。
南岳に着。
南岳から上河内岳を見る。結構下ったな。相変わらず天気はイイ。
あとはひたすら下り。
標高で約500mの下りなんだけど、けっこう疲れた。
見通しのきかない樹林帯だし、風が抜けずに少し蒸す。
そして枯れ木が荒廃させた地を思わせる聖平のコル。さ、小屋まで数分だ。
雲、出てきたなあ・・・
このコルでドコモは電波が入ることを後に教わる。
聖平小屋に到着。
広いテン場で気持ちがいいが、風が吹かず少し暑かった。
トイレは水洗で奇麗。なんかハイカラな小屋だなあと思った。
聖平小屋で名物のウエルカムフルーツポンチ。すごい嬉しいサービスだ。
テン場受付の時にもらった。これ、フルーツポンチが入ったデカ鍋から自分で容器に入れるんだ。たくさん入れた。
先に容器にフルポン入れている山ガールを、小屋番だと思って、「テン場の受付お願いします」なんて言ってしまって恥ずかしくて3回死んだ。
いよいよ翌日は聖岳だ。
ということで残りは、また後日。
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