原坊のロードバイクのススメ(後編)

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前回に引き続き、自分が考えるロードバイクのメリットについて、書かせてもらいます。

◆メリットその3:自己コントロール感

人によって、この内容が響く人、響かない人がいるかと思うのですが、最近の自分の日常ではあまり感じられない自己コントロール「感」が感じられやすいのも、ロードバイクのメリットと感じています。

自分の場合はロードバイクに乗る時には、その日の目標、例えば、「自宅から80kmほど離れた峠に行き、ヒルクライムのタイムトライアルで自己記録更新を目指す」や、「180kmを日暮れ前に走りきる」といったものを決めて、前者であれば峠に辿り着くまでに力を使い果たさないように、後者であれば限られた時間の中で最大限効率的な移動ができるようにと計画を立てて、その場の状況に対応しながらペース配分などを考えて、目標を達成できるように実行します。

ロードバイクに心拍計付きのサイクルコンピューターを装着すれば、走行中の自分のリアルタイムの運動負荷が可視化されます。高速走行や登り坂などの負荷が高い運動で力を入れてペダルを漕げば即座に心拍数が上がり、そのまま漕ぎ続けると心肺と筋肉が悲鳴を上げ始め、ほどなく限界を迎えてしまいます。
そこで、限界になる前にギアを軽くして楽に走れば今度は心拍数が下がり、脚も回復してきます。(まぁ、当たり前の話ではあるのですが…)とは言え、この「ギアを変える」という機材の機能により、自分の意志で自由に大幅に運動の負荷を変更できるというのは、他のスポーツにはあまり無い特徴だと思います。

このように、その時の自分の状態が、客観的に表示される数字で瞬時にダイレクトに把握できるため、その数値情報から、今の状況だと体力があとどれぐらい持つか、その日の目標達成にはペースや休憩などをどうすれば良いか(計画の変更は必要ないか)などという判断をしながら運動を行うことができます。
また、ロードバイクは機構がシンプルなので、わずかな勾配や、風の強さや向きという環境の変化による負荷の変化も瞬時にダイレクトに感じることができ、この、ロードバイクの走行環境が運動負荷に及ぼす影響の度合の大きさというのも、自己コントロール感を増幅させる要素だと思います。

(あくまでも自分の場合はですが)アラフォーにもなってくると、仕事でも家庭(主に子供ですが…)でも、他人の意向とのすり合わせ作業が多くなり、自分では完全に掌握または把握しえない物を相手に日々を過ごさなくてはならず、そのもどかしさが積み重なってストレスに繋がります。
そんな時にロードバイクに乗れば、状況を自分の五感でダイレクトに把握しながら、自身の肉体という自分で完全に掌握できるリソースだけを元に、他人の介入無しに全てを意思決定して計画を実行できること、例え想定外のことがあっても自分の意向だけで対応し乗り越えることで、ストレスフリーに達成感を感じることができます。

180kmのロングライドの記録。平均スピードを遅めにして長時間一定の心拍数を維持することで最後までタレずに走れた。」
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◆メリットその4:趣味に掛ける時間としての効率性

メリットその2でも書きましたが、幼児がいる共働き家庭持ちのサラリーマンとしては、平日は仕事に打ち込み休日に趣味三昧という訳にはいかず、休日についても相当程度は家事・育児を受け持たざるを得ません。
(冬場のスキーは今のところは妻に甘えさせてもらってますが、いつまで許してもらえるか…)

子どもができるまでメインでやっていた登山は(これはこれでとても楽しみの多い趣味なのですが)、山に登ること自体を始める前に、行動計画と道具の準備、交通手段や宿泊先の確保、同行者との調整があり、さらに時間をかけて山に行ってからやっと始められるなど、ある程度長期的な計画やそれに伴う作業が必要になり、時間が無い人間にはちょっとハードルが高いと言わざるを得ません。

ロードバイクであれば、やる場所は日本全国どこにでもある舗装された道路だけです。自分は幸い、荒川サイクリングロードという日本でも有数のサイクリングロードの近くに住んでいるため、普段のトレーニングは、そのサイクリングロードを走るだけで、事前準備は出発前にタイヤの空気を入れるぐらいです。(基本的に必要な装備はサドルバッグに入れっぱなし)

たまに行く秩父や奥多摩の峠のヒルクライムでも使う道具には全く違いはなく、160km超のロングライドになっても、基本的な装備にに加えて飲食物の補給のためコンビニの場所を確認するぐらいで、宿泊を伴わない限りは何も予約は要りません。

登山では前々から段取りして準備しても、悪天候は遭難に直結するため、天気予報を睨みながら決行か否か悩んだ挙句に中止なんてことも多々ありますが、予約も準備もさほど要らないロードバイクは計画の変更も容易です。
また、移動手段も兼ねているため玄関を出ればすぐに始められ、事後の作業も1ヶ月に1度ほど洗車と注油やメンテナンスを行うぐらいで、非常に時間的な効率が良いと言え、100km走るぐらいなら早朝から始めれば昼前に終わって午後は育児に充てることが可能です。

特に前もって準備をしていなくても、自分の体が空いていて天気さえ良ければやることができるという手軽さは、ウォーキングやジョギングに匹敵すると言え、運動で感じる爽快感はウォーキングやジョギング以上と自分は思います。

「トレーニング場所の荒川サイクリングロードの風景。四季折々の自然も感じられ道も走りやすくてお勧めです。」

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ということで、以上、極めて個人的な観点でのロードバイクのメリットの紹介でしたが、ダラダラ長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
書いたこと以外にも、大会やイベントの参加や、パーツ交換、ウェア選びなどの物欲面など、ロードバイクの楽しみはまだまだあると思います。
実際にスキーのオフトレーニングとしてやっているプロの方もいらっしゃるようですし、自分もロードバイクでハムストリングスや大殿筋、体幹の筋肉が鍛えられて悪雪での滑りの安定感が増した気がしていて、とてもお勧めできますよ。

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